損害保険労働組合連合会 「めざす働き方」を実現しよう



保険会社:STORY 10

所属 営業 職種 パート
年齢 35 性別 女性
障壁となる環境変化

兼業代理店の業種の多様化 IT化による業務フローの変化

営業部門の社員の減少 営業課支社の減少(拠点廃止)

対面でのコミュニケーション機会の減少(従業員・上司・オフィス業務担当など)

追い風となる環境変化

IT化による業務削減・効率化 担う役割の拡大・裁量の拡大

働き方の柔軟性が認められる 事務集中化による営業専念態勢

POINT

本文中の下線部を参考に、
①~③のポイントを読み取りましょう。

PTメンバーが考えた10年後の環境変化
将来の環境変化を克服・活用して「めざす働き方」を実現するための行動
将来、②を実現するために(今から)しておくべき行動

朝。子どもたちにお弁当を持たせ、小学校と幼稚園へ送り出す。夫は昨晩ロンドンの関係者とのWEB会議があり、まだまだ起きてこない様子。

私は、リビングのソファに腰をおろして壁に映し出されるメールをチェックしはじめた。社内イントラへのアクセスログにより、業務時間は管理されているが、在宅勤務の場合は意識の切り替え管理が難しいのが玉にきず

それにしてもここ最近メールの数が増えた。兼業代理店の業種が多様化しており、新設代理店も増えたためだ。先月委託した代理店の質問に回答し、次のメールに目を通す。別の代理店からの、企業への同行依頼だった。

「企業案件かぁ、困ったな…」

苦手分野への同行依頼に思わず口をついて出た言葉を飲みこみながら、名案をひらめいた。そうだ、営業担当のAさんに相談してみよう。Aさんは息子の小学校の同級生のママで、この時間はちょうど私と同じようにコーヒーを飲みながらメールチェックをしているはず

早速Aさんにメールを送り、その15分後には、午前中はお互い残務を片付け、休憩時間に家事をした後、ランチミーティングをする約束を取りつけていた

 

Aさんに相談したのは、社内イントラで配信された彼女のロープレが、強く印象に残っていたからだ。タブレット端末を活用した企業への提案は大変分かりやすく、興味を引くものだった。その映像をもう一度見てからランチに向かう。

隣の大泉支社の事務リーダーだったAさんは、私と同時期に産育休に入った。復帰直後から10~15時の短時間勤務の制度を活用しながら、豊富な事務知識を生かして代理店の事務コンサルを始めて代理店の信頼を勝ち取り、その一年後からは担当代理店を持ち、代理店支援全般を担っている

私はママ友として彼女のそんな姿をすぐ近くで見ながら、事務の機械化や部門集中化により営業現場の要員が減り始めていたこともあり、そう遠くない未来、雇用形態の違う自分にも同じような変化が起こると感じていたあの頃から意識して、ニュースや社内連絡を確認したり、不明点はまず自分で調べる癖をつけたりしていた。自らの業務領域にこだわらず、営業担当者の動きも観察していたことが、営業担当を任された今の業務に生きている

 

今日は少しだけ贅沢なランチ。

Aさんからアドバイスをもらっているうちに、自信も湧いてきた。Aさんからは「お客さまが自家発電を検討しているが、情報がないか」との相談を受け、「マイ発電所キット」を扱っている代理店を紹介してあげた。以前から兼業代理店の本業にも興味を持ち、保険以外の会話もするように心がけてきた成果だ。多様な業種の代理店を担当し、ネットワークを広げることで、他の代理店やお客さま、社内のメンバーなど、多くの人たちの間にwin-winの関係が築けるようになってきた

 

1ヵ月後。企業への提案は成功し、あわせて代理店の本業の契約も成約となった。

早速、Aさんのアドバイスはもちろん、事務集中センターのサポートについての謝辞もしっかり盛りこんで、経緯をまとめたレポートを上司に提出した。奮闘する様子を毎日上司が隣で見ていたときに比べ、報告の重要性は増している。当初はなかなか慣れなかったけれど、報告の癖がついていて良かった

そういえば、隣の支店のBさんの、企業分野の大口生保契約の成約事例も社内イントラに掲載されていたな。Bさんとは支店も違うため顔を合わせる機会は少ないものの、同じパート社員として研修や組合のオフサイトミーティングの機会など、折に触れてお互いに情報交換をするようにしている。お祝いのランチに誘って話を聞かせてもらおう。

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