損害保険労働組合連合会 「めざす働き方」を実現しよう



保険会社:STORY 8

所属 損害 職種 地域型
年齢 22 性別 女性
障壁となる環境変化

外国人契約者とのやりとりが増えるなか、言語の多様化に対応しつつ納得感のある説明の実施を両立する必要

医療の進歩や法の改定などにより、求められる知識の幅が広くなっていく

追い風となる環境変化

時間外業務にも安心して取り組むことができる環境(社内託児所の充実等)

男性の育児参加(育休取得率アップ) 女性リーダーの増加

POINT

本文中の下線部を参考に、
①~③のポイントを読み取りましょう。

PTメンバーが考えた10年後の環境変化
将来の環境変化を克服・活用して「めざす働き方」を実現するための行動
将来、②を実現するために(今から)しておくべき行動

「○○さん、お客さまが支払い内容に納得いかないので、上司を出せとおっしゃっているのですが‥」

入社1年目のAさんが困り果てた顔で私の席にやってきた。

つい数年前までは自分もお客さまにつめ寄られて、先輩に助けを求めていたっけ…

チームリーダーとして、担当事案を持たずにメンバーの業務進捗の管理・振り分けや苦情対応などのサポートをこなすようになったのは、産休から復帰したここ一年ほどの話だ。

現在も、周りのサポートを受けながら短時間勤務制度を活用していて、16時には子どもを保育園に迎えに行く。

「この手術はお支払い対象にならないことを、ご理解いただけないんです……」

医療の進歩はめざましく、新しい治療法や薬に保険商品が追いついていないと感じるときもある。加えて消費者保護の動きがますます強くなるなかで、消費者の金融リテラシーの高まりもあり、私たち保険会社の社員には高い説明能力が求められる。特に、残念ながら保険でお力になれないケースにおいて、納得感のある説明をして理解を得るという、入社時からの永遠の課題の答えはまだ見つかっていない。

 

今日は、私の提案で始めた週に1回のチームミーティングの日。開催時間は受電対応などがない定時後になってしまうが、どうしても残業が必要なときは社内託児所を活用しているこういった会社のサポートは有効活用しようと、育児をしている女性社員同士でも声かけをしている。チームミーティングを始めたきっかけは、育児をしている女性社員同士で効率的な時間の使い方や仕事と育児の両立についての意見交換会を行った際に託児所の利用時間について論議をし、幅広く柔軟に利用できる制度への改善と利用促進を会社側に申し入れた経緯があり、それらが受け入れられたことで、各自に時間の余裕ができたことだ。その時間を有効に活用するために、さまざまな環境変化を見据えた自己研鑽の一環として、輪番で担当者がプレゼンを行うこのチームミーティングを発案した。テーマは業務に関係すれば自由だ。

今日は入社3年目のBさんが「腰椎椎間板ヘルニアの新しい治療法」について話をしてくれる予定だ。こうした新しい治療法をメンバーで共有することはとても大事なことだ。

 

来週は私が「保険金支払い対応に役立つポルトガル語」についてプレゼンする。

私が住む地域は、外国人労働者を積極的に雇用している企業が多く、ブラジル人の契約者はここ数年で2倍近くになった。ブラジル人向けの医療機関もあり、治療内容の照会などは専門用語も多いため苦労することも多い

数年前、市が外国人の採用に積極的な企業を誘致しているというニュースを見て、ポルトガル語の勉強を始めた。育児との両立は大変だったが、夫も育児休暇を取得してくれ、時間を作ることができた。妊娠中にふと手にとったフリーペーパーで知った、在日ブラジル人との交流会にも参加してみた。その成果もあり、今では日常会話ができる程度まで上達した


以前は外国人と対面すると構えてしまったが、最近は会話を楽しめるようになってきた。また異文化の理解にもつながり、この地域で生活するうえで大切な経験となった

また、治療の考え方は国ごとに異なり、日本の保険では対象にならないものもある。こうした場合、より納得感のある説明が求められるが、こちらが伝えたつもりでも相手が理解していない場合もあり、言語の壁は高い。普段は、翻訳機の活用やポルトガル語が堪能な担当者により対応しているが、ポルトガル語を話せない担当者が電話を受けてしまい、困惑している場面も散見される。流暢でなくても、まずは親近感を持ってもらえるちょっとした言い回しなどを共有できる研修にしようと思う。

 

ここ数年、私は柔軟に環境の変化を捉え、そのなかでやりがいやキャリア形成について考える術を身につけてきた。後輩たちの未来はさらに変化に富むものになるだろう。道しるべとまではいわないが、こうした研修を通じて、各々が仕事にやりがいをもつ手伝いができればうれしいし、私自身のやりがいにもつながる

さて、明日は土曜日。夫が子どもを見てくれる予定なので、私はブラジル人の友人とのランチを楽しむ予定だ。

そのかわり、日曜日は快く夫をゴルフに送りだしてあげよう。

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