損害保険労働組合連合会 「めざす働き方」を実現しよう



保険会社:STORY 9

所属 本社 職種 全域型
年齢 40 性別 女性
障壁となる環境変化

海外とのやり取りの増加

新しい業務領域を担う (知識・スキルが十分でない)従業員の増加

引受種目の構成の変化により、新たな商品知識が求められる

規制の強化、グローバル化による内部管理コストの増大

追い風となる環境変化

システムの高度化により、単純事務にかかる負荷が軽減される

人事評価制度の見直しによる働き方やキャリアの多様化

海外との時差やワーク/ライフ・バランスをふまえた勤務時間のフレックス化

POINT

本文中の下線部を参考に、
①~③のポイントを読み取りましょう。

PTメンバーが考えた10年後の環境変化
将来の環境変化を克服・活用して「めざす働き方」を実現するための行動
将来、②を実現するために(今から)しておくべき行動

始業時間を過ぎても空席の目立つオフィスで、私は部下のスケジュール表とにらめっこしていた。育児と仕事の両立を可能とする制度や職場風土が整い、私が勤務する事務企画部門にも勤務時間を短縮して働いているスタッフが多く在籍している。短時間勤務者に残業は禁物であり、部下の業務時間管理や効率的な組織運営は従来以上に重要なマネージャーのタスクとなっている。特に、会議はすぐ予定時間をオーHバーするので気を抜けない。今日予定している新商品の引受事務フローについてのチーム打合せも、必要な事項を手際よく確認できるよう、準備に抜かりはない。

 

高齢化によりニーズが高まる介護関連商品など、激しい環境変化に対応する新商品が次々に生まれている。また、IT化の進展にともなう事務業務の軽減などの影響で、これまで経験のない業務を担う社員も多い。さらには、会社が積極的に海外でのM&Aをすすめたことにより、海外拠点との事務の確認も必要だ

こうしたなか、事務企画部門にはシンプルな事務フローが求められており、特に、海外拠点での業務の標準化に関しては、文化の違いもあることから、いかに合理的な業務フローにするかが重要となっている。もちろん、説明にあたってもわかりやすい資料の作成が求められる

そのためにもロジカルシンキングやプレゼンテーションなどのスキルが必要となる。独学で本を読んだりもしたが、時にはセミナーに参加し講師からフィードバックを得ることも自己投資だと思って続けている

 

不意にローキャビネット越しに声がかかる。今週のランチ勉強会の幹事▲▲さんだ。

「〇〇さん、今日のランチ勉強会は向かいのイタリアンですから。念のため!」

最近はWEB会議システムによる海外との打合せが増えたからか、英語の自主勉強会が盛んに開かれている。普段は接点の少ない他部署の人とも話ができるのは自主勉強会の魅力のひとつだ。そういえば、本社での業務フローの変更を、来週、関係する海外拠点の現地スタッフにも伝える予定になっていた。今回はシステム改定も絡むため、わかりやすい英語表現をシステム部からの参加者に聞いておこう。

 

午後は、来月に育児休暇から復帰する□□さんについて人事部と打合せを行う予定だ。人事評価制度の見直しをはじめとする産育休に関する環境が整備されたことで、結婚・出産後も働き続ける女性が大幅に増えたそんな彼女たちにいかに家庭と仕事を両立させ働いてもらうかを考えるのも、私の役目だ。彼女の復帰にともなう部署内の担当業務の見直しをふまえ、人事部に提出する要員要求の申請をまとめる必要がある。

私は「決裁BOX」から申請書のドラフトを取り上げ、目を通しはじめた。今回は、先月に育児による短時間勤務が終了したばかりの××さんに報告書を起案してもらった。フルタイム勤務に戻ったのを機に、今後はチーム内の管理業務も少しずつ担えるようになってもらうのが狙いだ

「うん、育児休暇の取得経験者ならではのコメントが織り込まれている。頼んでよかったわ」

私は、この職場を預かってから長いので、そろそろ転勤があってもいい頃だ。管理業務を担えるスタッフを育てていかなければいけないと考えるようになってから、コーチング、タイムマネジメントのセミナー等への参加を心がけてきた。ついつい自分で仕事を抱え込んでしまいがちだが、部下たちが経験を積むためにも、意識的に仕事を頼むようにしなければと反省しながら、朝の準備を終え、本日の仕事に取りかかった。

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