損害保険労働組合連合会 「めざす働き方」を実現しよう



システム・事務会社:STORY 3

所属 システム会社 職種 -
年齢 45 性別 男性
障壁となる環境変化

日本語以外の言葉の壁 英語が社内共通語になる

海外の習慣など、異文化圏との違いを理解する必要がある

追い風となる環境変化

海外ヘの数ヵ月単位での赴任

損保社の海外進出にともない、システム部門も海外拠点に合わせた対応が必要となる

在宅勤務の一般化(時間や場所にとらわれない仕事も可能となる)

POINT

本文中の下線部を参考に、
①~③のポイントを読み取りましょう。

PTメンバーが考えた10年後の環境変化
将来の環境変化を克服・活用して「めざす働き方」を実現するための行動
将来、②を実現するために(今から)しておくべき行動

いつものように私は自宅の書斎でPCのモニターに向かっていた。WEB会議の一般化などIT技術の進歩により、もはや都心に住む必要性は薄れ、子どもが独立したのを機に妻と二人で海辺の街に移住した。出社が必要となる場合にも、最寄駅から都心へは直結の鉄道が通っており、オフィスまではかなりの時間を要するものの、フレックス制が本格導入されておりオフピークの通勤が可能だ。体力的な負担はさほど感じない

 

「残すところあと3年、最後まで頑張って走り抜けよう」

ふと私は、自分が計画した退職までのプランを頭に浮かべていた。私もいよいよ50代後半。高年齢者労働力の活用に向けて、会社の雇用延長制度は整備され、先輩の多くは仕事を続けているが、私は仕事を離れ、海外に移住し、新たにさまざまな経験を積んでいくつもりだ。

 

保険会社の海外体制の強化にともない、システム会社も海外に拠点を置くようになってきた私は、海外進出の第一期社員募集の際に、自ら希望し、東南アジア地域での勤務を経験した。若い頃に、趣味の海外旅行を通じて現地の人とも触れあってきたので、海外赴任にはそれほど抵抗はなかった。当時は、まだ現地の情報が少なく、語学力だけではなく現地文化への適応など苦労は多かったものの、当時はそれでも現地への順応も長い目で見てもらえる環境があった


一方、最近は数ヵ月単位での出張を経て、海外赴任するという制度も確立され、即戦力として期待される分、赴任前にどれだけ情報を集められるかが重要になっている

私は、日本での何気ない行為が海外ではタブーとなることなど、自らの経験を共有し、これから赴任する社員が即戦力になれるよう、帰国後に、海外経験者の情報を共有するしくみの必要性を提案し、具体化に向け中心になって取り組んできた取り組みをすすめるにつれ、仕事は自らの経験を生かした赴任前研修の講師や、国内からのメールでの現地サポートが中心となった

海外拠点では、プロジェクトにさまざまな国籍・スキル・経験を持つ人たちが加わるようになった。母国語が異なるメンバーのコミュニケーションには英語が使われ、メールや資料などは自動翻訳されるため、基本的には英語と日常会話レベルの現地語があれば問題ないとされている。ただし、専門用語の誤変換や細かいニュアンスが伝わらないことによるトラブルを身をもって体験してきたので、語学力の向上は欠かせないと後輩にも指導している

現地サポートという点で自分の経験を教えていくことにやりがいを感じてはいるが、文化や習慣、言葉の違いなどについてより高いレベルでのサポートを行っていく必要も感じている。そのためには自分の経験を思い出しながら、さらなる異文化の理解と情報の充実が必要だ。私は今でも、趣味と実益を兼ねて、海外文化の研究や、その実践の場としての海外旅行に出かけている

今は、海外赴任当時の思いに浸りながら、都会では味わえない目の前に広がる海や、夜空の星をゆっくり眺めるなど、時が経つのを忘れられる瞬間が、明日への活力になっている。

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