損害保険労働組合連合会 「めざす働き方」を実現しよう

AIの頭脳 vs 人間の感性 ──
人が働く価値ってなに?

AI(人工知能)の技術が実用レベルへと躍進

近年、新聞や専門誌などの紙面を賑わすようになったAI(人工知能)。AIの定義は幅広く、一般的には「人工的につくられた人間のような知能」などと表されます。AIの開発の歴史は古く、第1次(1950年代後半〜1960年代)、第2次(1980年代)を経て、現在の第3次AIブーム(2000年代〜)を迎えています。

第3次AIブームが世間の注目を集めているのは、コンピュータが自ら学習する「機械学習」の技術が進歩したから。ビッグデータを用い、自ら学び、自ら賢くなる技術をAIが得たことで、実用レベルでの可能性が一気に広がりました。

その象徴的な一例が『アルファ碁』。囲碁の実力者がAIに敗北し、「人工知能>人間の知能」というインパクトを与えました。また、人間の仕事をAIが代替する流れが生み出され、その分野は広告やマーケティング、教育、金融、医療など、多岐にわたります。コールセンターでのAIの導入も進んでおり、コンピュータがデータベースをもとに顧客の会話を解析し、最適なアドバイスをオペレーターに与えるサービスなどが開発されています。

AIと人間は対立するのか、共存するのか

AIの技術が飛躍的に進歩する中、AIと人間の関係性はどのように変化していくのでしょうか。AIと人間の分岐点として着目されているのが「シンギュラリティ(技術的特異点)」です。AIが人間の知能を超え、社会的な変化が起こる時期をさし、その時点が2045年と予測されるため、『2045年問題』とも言われています。それでは、近未来の日本を見据えた時、AIと人間との仕事の棲み分けはどのようになっているのでしょう。

オックスフォード大学が発表した「あと10〜20年でなくなる職業・残る職業」によると、"なくなる職業"のトップ3は、「①電話販売員(テレマーケター)」「②不動産登記の審査・調査」「③手縫い仕立て屋」。手続き化しやすい単純業務は、AIが代替する時代になるようです。

一方、"残る職業"のトップ3は、「①レクリエーション療法士」「②整備・設置・修理の第一線監督者」「③危機管理責任者」という結果になりました。人間に求められる仕事は、「難しい判断が伴う業務」「人間に対応してほしい業務」の2つに分かれることが予測されます。

AIの技術は日進月歩で進化し、人間の生活や働き方に影響を及ぼしてきます。その時、AIと人間は対立するのか、それとも共存するのか。AIとの向き合い方や、人間の働く価値が問われる時代を迎えています。



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