損害保険労働組合連合会 「めざす働き方」を実現しよう

100歳時代が到来──

高齢者、老後という概念はなくなるのか?

「人生100年」を意識した働き方にシフト

ゲノム解析や再生医療などの先進医療が発達することで、平均寿命が100歳を超える「人生100年」の時代が到来することが予測されています。そうなると、これまでの「高齢者」「老人」という概念が変わり、高齢まで働き続けることができる社会に。100歳まで生きることを前提とした働き方へとシフトすることが求められてきます。

なかでも、とりわけ将来的に高齢者を多く抱える可能性のある企業は、高齢者の働き方に合わせた賃金体系や福利厚生等を整備するなど、当該層のモチベーションを維持するための対応が必要になってきます。東洋経済新報社が調査した『CSR企業白書2017』によると、50歳以上の社員が500人以上いる企業のなかで、50歳以上の社員の比率が高い企業ベスト3は、それぞれ47.8%、45.5%、44.6%となっています。人数では生命保険会社が極めて多く、50歳以上の従業員を2万名超雇用している会社が複数みられます。

また、同調査によると、「定年後に向け備えていることは?」の質問に対し、3割強が株式投資などの資産形成に励んでいると回答したものの、一方で「定年後への備えをしていない」と答えた人は25.6%に及び、定年後の生活を直視できていない人も多いことがわかります。

シニア期に向けてスキルや能力を向上

それでは、「人生100年」の時代が到来することで、働き方にどのような変化が生まれるのでしょうか。予測されるのは、定年制度の見直しが進むこと。現在、65歳までの定年後再雇用制度は定着したものの、公的年金の受給開始年齢のさらなる引き上げと、これに伴う定年年齢の引き上げが予測されます。さらに、「人生100年」の時代を迎えれば、高齢になっても働くことが当たり前の社会になり、超少子高齢化による労働力不足なども相俟って定年制度自体がなくなる可能性が生まれてきます。

それでは、定年消滅の時代に必要な働き方とは、どのようなものなのでしょうか。前述したように、老後のために資産形成している人は一定数いるものの、それと同等以上に重要になるのが、シニア期に向けて自身のスキルや能力の向上に励むことでしょう。定年が消滅したとしても、シニア期の処遇は、皆一律に引き上がるものではなく、スキルや能力に応じて処遇差が広がっていく可能性があります。働きながら資格を取得し、専門知識を身に着けることや、自身のスキルを補う人脈を構築することなどが、老後を安心して暮らせる最善の策になる時代がくるのかもしれません。

※参考文献:東洋経済新報社『CSR企業白書2017』



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