中央執行委員長メッセージ
はじめに
私たち損害保険労働組合連合会(損保労連)は、損保グループ産業に働く仲間が集結した産業別労働組合です。
1967年の結成以来、働く仲間の連帯の輪を強めながら、組合員が「働きがい」「ゆとり・豊かさ」「自負・誇り」を実現している働きを取りまとめた「創造性豊かな働き」を拠り所とした運動を通じて、損保グループ産業で働く全従業員の労働条件の維持向上と損保グループ産業の健全な発展に取り組んでまいりました。
2024年9月に開催した第60回全国大会にて第59期をスタートさせたところであり、魅力ある産業・企業の構築に向け、今期も着実に運動を前進していきます。
以下、今期の活動方針のポイントを紹介します。

中央執行委員長
北村 聡太
今期の活動方針のポイント
1点目は「信頼回復に向けた取り組み」です。国民生活の安定や国民経済の健全な発展に不可欠な経済的補償機能を提供するという極めて重要な社会的役割を担っている損害保険会社には、あらゆる局面において顧客本位の業務運営を徹底することで国民から信頼されることが求められています。しかしながら、業界で発生した一連の不祥事により、損保グループ産業に対する社会・消費者の信頼を大きく損なうことになりました。現在、業務改善命令の対象となった損害保険会社において、信頼回復に向けた取り組みがすすめてられるとともに、業界全体においても、不適切なビジネス慣行や競争環境の歪みを是正していく取り組みがすすめられています。こうした取り組みの主体は組合員・社員であり、私たちは、誰よりも職場の実態をよく知る労働組合として、取り組みがすすめられるなかで課題が生じていないか、問題の本質的な解決よりも改善策を完了することが目的化していないか、といった観点で職場実態の確認に努めるなど、産業の信頼回復に向けて不断に取り組んでいく覚悟です。
2点目は「組織拡大の取り組み」です。労働組合にとって組織拡大は力の源泉であり、集団的労使関係を拡大していくことは産別としての責務でもあります。私たちが損保グループ産業で働くすべての労働者の代表であり続けられるか否か、組織拡大の取り組みにかかっています。支援体制の一層の強化を図り、単組・産別が一体となって着実な取り組みをすすめていきます。
3点目は「ジェンダー平等の推進」です。損保労連は、労働組合における男女平等参画をすすめ、ジェンダー平等社会の実現に取り組むべく、「損保労連『ジェンダー平等推進アクションプラン』」を策定し、産別・単組一体となって取り組みを展開してきた結果、目標を概ね達成することができました。この流れをさらに加速させるべく、今期から取り組み期間を6年間とする新たなアクションプランを策定しました。女性の三役登用や執行部の女性比率50%など、より高い目標を設定しており、皆さまとともに運動を前にすすめていきます。
4点目は「政策実現に向けた取り組み」です。業界で発生した一連の問題を受け、業界の構造的な問題を抜本的に見直すべく、各種ルールや法制度の見直しの検討がすすめられています。また、取り巻く環境が加速度的に変化し、新たな課題が生じるなか、個別労使間で解決が困難な各種ルールや法制度の見直しの検討にあたり、働く者の立場からの意見を反映させていくことは産業別労働組合に求められる極めて重要な役割です。政策懇談会や他産別との意見交換会を開催し、政策のブラッシュアップを図るとともに、業界団体・連合・行政・政治家といった関係先との連携を強化することなどを通じて、政策実現力の向上にも取り組んでいきます。
最後に
労働運動の長い歴史のなかで変わらないのは、「この社会、産業、会社、職場を私たち自身で良いものにしたい」という主体性です。消費者や社会からの信頼を回復し、私たち自身の手で産業の明るい未来をつくりあげていきましょう。